アン

我、邪で邪を制すのアンのレビュー・感想・評価

我、邪で邪を制す(2023年製作の映画)
4.0
おれより悪いやつを倒したくて!
韓国映画のような凶暴性を持った狂気を秘めた台湾ノワールプログ映画(ノワールだけじゃない)の誕生です!
クライムサスペンスなんて呼んでるひとはもう一度ちゃんと鑑賞してください。間違いです。

台湾映画は疎く、アン・リー監督とエドワード・ヤン監督の 台北ストーリー くらいしか観た記憶がなくまったく期待をしていませんでしたがとても良かったです。

どことなくテーマが大傑作 インファナル・アフェア に近いような印象を受けましたが、実際は違っています。
周處除三害(原題)は中国の古典からきています。
周處は三悪を滅ぼすというほのめかしは、『晋書周处伝』と『史書信余』に由来しており、周處は武術の腕前を頼りに田舎で暴れまわり、彼は水の龍と山の虎とともに地元で三悪と呼ばれていました。彼は周囲にそそのかされて村民のために龍虎を退治するよう命じられましたが、期限を過ぎても戻ってこなかったことから村人たちは三悪が退治されたと思い、喜びお祝いをしました。しかし、戻ってきた彼は真実を知って非常に恥ずかしくなり、その後考えを改め、邪悪なやり方を捨てた、ということです。


後半の変わりようは、R. ロドリゲス監督(+タランティーノ敬称略)の フロム・ダスク・ティル・ドーン を大衆向きにリライトした演出のようであり、映画を観る喜びを再認識はさせてくれました。

命を粗末にする奴は死ね!カミーユ美談のようですね。
アン

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