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めまいのkojikojiのレビュー・感想・評価

めまい(1958年製作の映画)
3.6
1958年 アメリカ作品 カラー
ヒッチコック45/53
キム・ノヴァクが魅力的。「愛情物語」「ピクニック」と並んで彼女の代表作だろう。

スコティー刑事(ジェームズ・ステュアート)は同僚の墜落死に関わったことから高所恐怖症を患い、警察を辞めてしまう。
スコティは友人エルスターに頼まれ、不審な行動をする妻マデリンを調査を始める。
ところがこの妻は不可解な行動を繰り返す。 
夫のエルスターは、この原因は「マデリンがカルロッタの亡霊に取り憑かれているからだ」という。確かにそんな行動をとっている。
ある日、スコティは海に飛び込んだ彼女を助けたことから親しくなり、二人は愛し合うようになる。
しかし、結局、彼女は教会から飛び降り自殺してしまう。
彼は、その場にいながら高所恐怖症が理由で助けられなかった。
これが理由で精神衰弱へと陥いったスコティは、ある日街角でマデリンに瓜二つの女性を発見し、彼女に接近していく。


立ちくらみによる軽微の「めまい」は経験されたことがある人は多いに違いない。
私もこれまで「めまい」と言ったらそれぐらいだった。
ところが、2年前ゴルフ場でカートをぶつけられ、その勢いで耳石が三半規管の中に移動し、立っていられない極度の「めまい」を経験した。

この映画の中で高所恐怖症に悩む主人公のスコティーがちょっと高い椅子の上に立ってめまいに襲われるシーンがある。
前に観た時は、「大袈裟な!」と思っていたが、その時の経験からその気持ちがよくわかった。

因みに、この耳石の移動は病院に行って「トントン」と医者に叩いてもらうと直ぐに治る。人間がいかに繊細な生き物であるか、実感した。

だから、ヒッチコックが苦労して作ったと言っているめまいのシーンのうまさに感心した。まさにあの状態なのだ。

この映画の一番重要なシーン、マデリンを追いかけてスコティーが塔にかけ上がる階段で、めまいに襲われるシーンは、今でもあの時のめまいを思い出して気分が悪くなった。

この映画、中盤で謎解きをしてしまう。何故こんなに早く謎解きをしたのだろうと思っていたら、原作にはないこの謎解きはヒッチコックのアイデアらしい。

ヒッチコックの説明だと、謎解きはしたが、それはこれから大したことは起きないからで、何も知らない彼がそれを知った時どうなるか、それを観客がドキドキしながら楽しむのがサスペンスではないかと考え、そうしたと言っている。
ふーんそんかもんかなぁーと私は少々不満なのだが。

2023.04.02視聴142
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