このレビューはネタバレを含みます
ヒッチコックが特殊撮影技術にトライしたような作品。
「めまい」の表現は逆ズームを駆使している。
亡くなったはずのマデリンを街でみかける。思わず追いっていってしまうスコティ。「さて、彼女の正体は!?」とそちらの追求に物語は進むかと思いきや彼女の胸中の述懐と告白の描写で、あっけなく「替え玉殺人の道具に使われた」事が鑑賞者へは判明する。
結局マデリンがカルロッタのネックレスをつけてしまう事でジュディの正体が割れてしまうが、とはいえ中身は同じ人。ではスコティは一体誰を愛していたのだろうか?
替え玉のマデリンだったのか、マデリンに似た自分を愛してくれているジュディだったのか。
真剣に愛したが故に自分を騙したジュディが許せなかったのか、刑事でもある自身があっけなく騙されてしまった事で、自分自身が許せなかったのか。
人妻に手を出してしまった背徳感が、実は実際の人妻ではなかったのだからハッピー。というわけでもなさそうだ。
そして結局はジュディまで亡くなってしまうのは切なすぎる。スコティは追い詰めすぎてしまった事で結局愛する人を短期間に二人も失ってしまったのだった。なんか結局ジュディが可哀想。いや、本当に可愛そうなのはミッジなのかな。