三次元からきたブロンディ

死刑台のメロディ 4K リマスター・英語版の三次元からきたブロンディのレビュー・感想・評価

4.6
記録

米国マサチューセッツ州の靴製工場の強盗殺人事件をきっかけにイタリア系移民の二人の男が逮捕された。
主人公サッコとヴァンゼッティの二人の思想はアナーキスト(無政府主義者)で、支配階級や経済格差のない平等な社会を目指して来た。しかし劇中で描写されている通り二人の裁判は不当なものだった。

人種差別、政治的思想の価値観、格差社会など本作は凡ゆる面で描かれている。本作は「赤狩り」を題材にしているため米国は共産・社会主義的思想を持った者には暴力で弾圧する。本作を観るとクリストファー・ノーラン監督作『オッペンハイマー』と一緒に観ることを推奨したい。

本作に注目したいのはエンニオ・モリコーネの作曲が良く、そしてジョーン・バエズの歌曲もとても良かった。OPの『サッコとヴァンゼッティのバラード』とEDの『Here's to you(勝利への讃歌)』はバエズ本人が二人の想いに寄せた歌で、彼女の歌声も力強く心が引き寄せられる。『勝利への讃歌』は珠玉の名曲だ!

裁判は証拠不十分や不確実な証言など今では考えられない不当な法廷ではあったが、この「サッコ・ヴァンゼッティ冤罪事件」は近代史の中で歴史的な冤罪事件として知られているため世界中で抗議デモや反対運動が成され1920年代当時の社会現象にもなったとされている。本作を鑑賞してしまうと民主主義の平等はどこへやら…

本作は是非ご覧になっていただき作品の一つだ!!本作に興味ある方は是非!!