「お前(只次郎)、わし(元締め)を殺して生きて行けるのか」
「なんとでもなるさ」
藤田まこと氏が演じた中村主水の必殺シリーズの一応の最終話1996年公開の『必殺! 主水死す』の9か月後、松竹が計画していた、特定作品を夜間に随時上映するサテライトシアター用に製作された田原俊彦主演の新たな「必殺シリーズ」の映画です。以降2作品が製作されているのですが、 第2話『乱れ咲く女役者の夢舞台』、第3話『地獄に散った花びら二枚』は、サテライトシアターが頓挫したためオリジナルビデオ作品として製作されました。
江戸の町で、鳥かご作りの内職をしながら暮らす浪人山村只次郎(田原俊彦)は、知らぬ間に南町奉行所与力・白鳥右京(森次 晃嗣)に剣の腕を見込まれ、かもめ(南野陽子)、リュウ(俊藤光利)に続き過去を捨て3人目の始末人として生まれ変わります。
「お上が裁けぬ悪を裁く」為に過去を捨てた3人だったのですが、白鳥に利用されていたことを知り南町奉行所から命を狙われることになります。
南町の牢内へ差し入れをしている「地蔵屋」の女将・おとら(樹木希林)にかくまわれた3人は白鳥にはめられ命を落とした井筒屋が残した金子を始末料として分けあい、井筒屋の無念を晴らすために白鳥ら奉行所の者達を始末していきます。
シリーズ化を見据えた第一話は主を失った始末人3人に「地蔵屋」のおとらが勝手に新たな元締めを名乗り裏稼業が本格的に始まることを暗示するプロローグのお話です。
物珍しさから観ただけですが、いよいよ本格的に始動する?2話・3話は高価なセットDVDを買わなければならないので断念です。
にこりともしない田原俊彦氏には好感が持てるのですが、所詮田原俊彦氏、南野陽子さんのコンビでは・・・といった映画ですが、その分気楽に観ることができます。
TVでお馴染みの必殺シリーズのBGMをふんだんに使用するため、なんだかワクワクしてしまいます。