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殿さま弥次喜多のmitakosamaのレビュー・感想・評価

殿さま弥次喜多(1960年製作の映画)
3.4
殿さま弥次喜多3部作の最終作。3作目なのにサブタイトルが無いんだよね。
今作はオーラスにふさわしい物語。8代将軍の候補者として、錦之介/尾張・徳川宗長と嘉葎雄/紀州・徳川義直の名前が上がる。果たして暴れん坊将軍吉宗になるのはどちらか?(笑)
将軍なんてめんどくさい2人は、例によって城を脱走。弥次喜多となって町へ逃げる。

今作はヒロインとして瓦版屋の美空ひばりと、焼き芋屋の丘さとみ。
そして悪徳瓦版屋との争いを経て、家老の悪事が明るみに出る。騒動の末に二人は悪漢を退治する。
基本的なフォーマットは前二作と同じだが、まずドタバタの規模が違う。滅茶苦茶モブも多いし、大仕掛けなスラップスティックアクションが多く見応えある。

笑いも多いのだが、将軍の跡継ぎを嫌がる二人が「将軍とはかくあるべし」と考えるように成長する物語が良い。話の筋がシッカリしているのが安心できるね。
しかし、今作の時点で錦之介がアクションシーンで結構ドスを効かせる威勢の良い演技が出来るようになってる。それに比べて中村嘉葎雄は演技が下手なまんまだなー。
あと美空ひばりの父親役に大河内傳次郎。喋りの癖が強い。

そして錦之介・徳川宗長が上手いこと丸め込んで、嘉葎雄・徳川義直が将軍になる。
あれ?史実と違うぞ!?そういう世界線なのか???てっきり二人とも将軍にはならないと思ったのに。
それにしても、ラストに二人が見つめ合いながら「弥次さん…」「喜多さん…」と言い合うエロティシズム。キッスするのかな?と思わせるBLな終わり方だ。
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