こうみ大夫

NN4444のこうみ大夫のネタバレレビュー・内容・結末

NN4444(2024年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

企画として成功とは言えない。もう少し非言語なものを期待したが、かなり言語的な芝居でありデモリール的な側面が前に出すぎてると思った。若い作品観てて、「みんな狂ってる」「みんなおかしいよ」みたいな説明台詞出てくると萎えてしまうのは僕だけではないはず。四作目だけ作品として突出してたが、かといって何かが起こるという訳では無かった。
正直新進気鋭のプロデューサーたちのトークショーを聞きに行った側面は強い。彼らが何を仕掛けるかに日本映画の未来を観たかった。だからこういうチャレンジは嫌いじゃ無い(むしろ短編でなくて良い)。
気持ち悪い男性社会というテーマ性はよく出てきたが、女性が映画に出てくる「役割」としての女性を嫌うように、自分も同じ男性として、出てきた男性の「役割」的な演技・演出が受け付けなかった。こういう問題の集大成が市子だったなぁ…と。
1作目
解像度が最も高かった。高すぎて「オチ」のある、日本の短編に多いあり方だなと感じた。四つの中で一番「社会的テーマ」として取り組んでいて、出てこないが確かに作用している母親の存在、といった演出は面白かった。
2作目
1作目と同じくオチに向かう感じが強い。こだわるなら画的なものより芝居中心にした方が良い。クラップする演出は以前演劇で見たことはあったが、それを映画に取り込んだのは面白かった。
3作目
一番笑った。最もB級ホラーに近いワンアイディアに振り切った作品だったと思うし、そのため役者が「役割」として動きすぎてる映画。最近観た「Saltburn」くらいすする音が気持ち悪く、そこは良かった。
4作目
才能ある演出であると思う。目線を撮るのが上手いところは、やや北野武のような、可笑しさとのバランス感覚があるタイプだと思う。もう一つ何か起こせたら映画として展開していくなぁという歯がゆさで終わっていったイメージ。
こういったプロジェクトの先に第二のA24、第二のアリアスターが現れるのか。決してそのテイストはロドリゲスやタランティーノでないあたり、今風ですね。
こうみ大夫

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