バレエダンサーを夢見ながらナイジェリアに暮らす少年が、イギリスの学校に入学して夢を追いかける姿を捉えたドキュメンタリー。
バレエは女性の踊りだというナイジェリアの偏見も気にせず、ただ一方で、苛められていた記憶や病気の不安に押しつぶされそうになる。
そんな葛藤のなかで、自分の夢に向かってひたすらに踊る彼の情熱はピュアで力強い。
そして彼を支える家族との絆、離れた地に住んでいるからこその郷愁と繋がりも優しく温かい。
作り方が終始フィクションっぽくて、そこはちょっと残念だった。
『オーディブル 鼓動を響かせて』の監督だったみたい、この作りも短編の方が向いている気がした。
とはいえ、今後も含めたアンソニーの人生を切実に捉えたドキュメンタリーであることは間違いない。
はじめは新天地での生活に不安を感じていたアンソニーだが、友だちもできて恋もして、ちゃんとエンジョイできてよかった。