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天城越えのジャンのレビュー・感想・評価

天城越え(1983年製作の映画)
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警察に連行される田中裕子と少年を顔のクロースアップの切り返しで撮ったり、男を刺しにいく少年をエモーショナルな音楽とともに収めたり、叙情性がたんまり。
そして、少年の足を田中裕子が処置するシーンを長回しで撮る官能が印象に残った。少年の母親の不倫や田中裕子の母親的な振舞いを考えると、少年の殺人は理想の母親を犯す父親(的存在)を殺すエディプス・コンプレックスとして捉えるのがよいと思う。
低い位置に置かれたカメラが気になっていたが、クライマックスにある川の水面から少年を捉えたショットを見て何となく納得がいった。
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