ぱ

ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへのぱのレビュー・感想・評価

-
そろそろ帰りますねと言って帰る客人をお年寄りが見送りに来る。団地の廊下を一緒に歩き、楽しかった時間の余韻に浸りながら軽い足取りで階段を下りる。ソフトランディングというか、別れまでの助走というか、この時間を収めてるのがいい。

小森はるかのカメラは不思議で、密な空間なのにカメラの後ろに人がいる気がしない。撮れてるんだから、いるのかそうか、そりゃそうだと何回か思う。
現地の人かと思ってたら支援団体のメンバーだったり、結局誰だか分からない人がいたりするのも面白い。

団地から集会所へ通りを渡るとき、風切り音が地鳴りのように聞こえる。復興支援のために開発された土地の、元は風よけなどなかっただろう場所の寂しさ、いつかまた人がいなくなる時が来るんだろうかという思いが一瞬よぎる。
ぱ