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ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへのflyoneのレビュー・感想・評価

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小森はるかは一貫して震災を語る人を被写体としてきた。ある事態についての記憶、それを語る人々を捉える彼女は、『ラジオ下神白』において、実際にラジオとして録音される様子を捉えることはしない。むしろその活動を通じて築かれた関係性が生み出す「よもやま話」の様子を積極的に映し取っている。それは、悲喜を問わず語られる記憶の断片についてであったり、それが刻み込まれた歌謡曲についてであったりする。だから、万感の思いを込めて歌われる歌謡曲のシークェンスには、涙をこらえきれなかった。
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