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荒野の用心棒 4K復元版のメッチのレビュー・感想・評価

荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)
4.5
至高の作品『用心棒』に影響を受けた作品であり、多くの映画監督に影響を与えた作品。

あらすじは、荒野の片田舎に悪徳保安官一家のバグスター家とやりたい放題のロホ家。そんなある日、二大勢力が牛耳る片田舎に頭が切れるガンマンが訪れた。そのガンマンは、どうにか二大勢力に争わせて、共倒れをさせようと企てるのだが…。

あらすじだけでも、黒澤明監督作品である『用心棒』のそのもの。それだけではなく、冒頭の主人公が片田舎に着いて井戸水を飲むところも、かなりオリジナルを意識されているのが伺えます。
それに、オリジナルでは言及していなかったところに補うように要素を付け足されていた感じがあって良いですね。以前、『カメラを止めるな』のフランス版を鑑賞したことがありますが、オリジナルでは出来なかった表現をされていてより一層気持ちが深まったことがありますが、それと同じ感じです。

個人的な話をすると、本作は衛星放送で鑑賞したことがなかったため、こうして映画館で鑑賞ができるとは…。サブスクで鑑賞できて便利な現代でも、何故この作品に世界の映画監督や映画ファンが熱狂したのか?それは、少なくとも同じ環境下でないと理解は難しいけれど、画角の捉え方からはセンスを感じます。
それに、本作のテーマ曲が流れただけでグッとくるものがありました。以前、本作の音楽を担当されていたエントニオ・モリコーネのドキュメント映画を鑑賞していたこともあって、制作秘話を知っているからというのもあります。ただ、普段からモリコーネの楽曲を音楽アプリで聴くことはありますが、何だか違う。音響が整ったと環境で、本作を鑑賞するほうが感じ方が違う気がします。

余談ですが、本作の続編はサブスクにあったりしますが、本作だけハード状のもので購入かレンタルしかできないんですよね。調べてみると、日本の上映権を有ているのは黒澤プロダクションということらしい。黒澤明監督に許可を取らずに本作を製作してしまったことにより、本人から訴えられたのでしょうかね。
でも、それがあったことによって、復刻版みたさに劇場へ足を運ぶ私がいますが…。
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