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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版のsyoのレビュー・感想・評価

4.8
素晴らしい。本当に素晴らしかった。アメリカ西部で繰り広げられる3人の男たちの20万ドルをかけた壮絶な宝探し。
やはりラストの"決斗"シーンが特に最高で...。今まで様々な映画を観てきたけど、鳥肌が立つぐらい感動したのは今作が初めてかも知れない。灼熱の太陽の下で睨み合う3人の男、額からは汗が垂れる目元のアップ、ホルスターからのカット、長い沈黙、そして一瞬の決着。まさに西部劇、ここに極まれり。

原題は「The Good, the Bad and the Ugly」、翻訳すると「善玉、悪玉、卑劣漢」。だが善玉なんて1人もいない。全員卑劣。題名も「The Ugly×3」でも良いぐらい。なのに全員最高に格好良く見えてしまうのが不思議で仕方ない。ドル3部作の主人公クリントもそのライバルであるリーも素晴らしいけど、今作はなにより"卑劣漢"イーライ・ヴォラック無しには語れない。一番クズなのに一番人間味があるのがこの男。観ていると段々愛おしくなってくるのは彼にしか成し得ない業だと思う。とにかく素晴らしかった。

とは言いつつ179分はやっぱり長くて序盤40分ぐらいで強烈な眠気に襲われたのも事実。この作品に限らず昔の作品は物語の進みがかなりゆったりだから次は万全の体制で挑みたい。

ただ中盤あたりから終盤にかけての盛り上がりが凄くて否が応でも目が覚める展開の数々、西部劇に南北戦争を組み合わせるのには驚かされた。イメージなかったけど、確かに2つとも同じ時代だから間違ってないのか。ここは少しテイストが変わって戦争というものを馬鹿げたものだと言っているかのようにも見えた。あの一連のシーンは正直無くても成立はすると思うけど、金も人もかなり注ぎ込んでいるし、やっぱりレオーネの強い想いがあるのかな??
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