いかえもん

写楽のいかえもんのレビュー・感想・評価

写楽(1995年製作の映画)
3.7
真田広之さまの戦国自衛隊のちょびっとの登場シーンだけでは、とてもじゃないが満足できないわたくしは、次にこれを観ました。実はこれは前から観たかったのだけど、配信なくってレンタルかぁ…と放置してたんですよね。
ご存じの方はご存じかと思いますが、この映画でのスキャンダルが元となって、広之さま、えらいことになった時代がございました。そういう意味で、問題作と言えるでしょう。

この映画、評価めちゃ低いですけど、それはそういうスキャンダルのところが皆さん気に入らないからなんでしょうか?あの女優さんがお気に召しませんか?まあ私も映画見ててもどうしても現実のスキャンダルが頭をよぎりますので、やっぱりその点がもったいなかったなぁと思う。だけど、彼女は広之さまの当時の奥様、手塚理美さんに雰囲気似てて、広之さま、こういう感じの女性がお好きなのね…と思ってしまいました。

さて、下世話な話は置いておいて、映画の内容なんですけれども、これはなかなか興味深かったですよ。東洲斎写楽って1年ほどで姿を消した絵師のお話なんですけど、その時代の遊郭やら歌舞伎なんかの文化がたくさん盛り込まれていて、登場人物にも、写楽以外に、十返舎一九や葛飾北斎、歌麿、滝沢馬琴なんかが出てきて、江戸文化が描かれます。

広之さまは最初は歌舞伎舞台の脇役俳優でトンボ切ったりするアクションをいきなり見せてくれます。しかし、事故で(これがもうめちゃくちゃ痛そうで、こっちが気絶するかと思った)アクションができなくなってしまうんですね。そこから絵師として蔦屋さんに買われてその変わった画風でちょっと世間を騒がせますが…というようなお話で、それにプラスして、吉原で出会った花魁と恋に落ちるというようなことも盛り込みつつお話が進んでいくといった感じです。

広之さまファンの方は、お腹いっぱい満足できる映画だと思います。アクションもあるし、歌舞伎舞台もちょっぴり見せてくれて、所作の美しさも見られますし、その後の絵師として、また恋をした男性としての演技もめっちゃいいです。ほんと色っぽくて、ドキドキしました。

脇を固める俳優さんも、フランキー堺さん、佐野史郎さん、片岡鶴太郎さんと実力派が並んでますので、お話もけっこう面白い。ただ、最後はちょっとなぁ…、そんな終わり方かぁと思ってしまいました。
んで、問題の女優さんですが、お美しいですけど、あんまり上手くはないな。セリフもちょびっとしかなかったけど、全然印象に残らなかった。ほんとに最後そうなりたいほど、燃える恋心があったのか?と問いかけたいくらい表情がなかった。そういう意味でも、私はお気に召さなかったですね。もっと上手い女優さんだったらラストシーンも引き締まったかなぁと思う。
でも、全体として私は結構楽しんで観られましたね。