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ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストアのsyoのレビュー・感想・評価

4.8
本当に美しい映画だった。激動の時代を生きた清朝最後の皇帝 愛新覚羅溥儀の悲哀に満ちた人生を描いた作品。ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカを観た時にも思ったけど、ここまで来ると映画という枠を超えて彼の人生そのものを観てるような気持ちになる。

走馬灯のように繰り返される皇帝として過ごした若き日の思い出たちと現在の戦犯として生きる姿の対比が辛い。若干3歳で親と離され、慕っていた乳母と離され、世間と離される生活。やっと見つけた自分の居場所も中国によって奪われ、日本に利用され、妃はアヘン漬けになり、第二夫人も自分の元からいなくなってしまう。結局彼には何が残ったのか、この人生で幸せだったのか、そんな疑問を抱かざるを得ないけど、最後の少年に見せたあの笑顔を見たらこれで良かったのかもしれないなとも思った。

音楽も本当に素晴らしくて坂本龍一にデヴィッド・バーンに編曲にはハンス・ジマーという豪華すぎる布陣。幕が降りた後もかかり続ける"ラストエンペラー"に涙ぐんでしまった。
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