さなD

ラストエンペラー 劇場公開版 4KレストアのさなDのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

リバイバル シネスコ 帯なし
軽い気持ちで見たのに予想を遥かに超えてきて、正直驚いた。あっという間すぎて、2時間43分もあるのに体感2時間くらい。中国史にあまり詳しくないけど、ストーリーの中で分かりやすく解説してくれていて入ってきやすい。実際の戦時中の映像を囚人たちが見るシーンは当時を説明するシーンでもあり、その痛ましさを突きつけられる良いシーンだった。ここ最近で、戦場のメリークリスマス、オッペンハイマーと観てきたので余計に突き刺さる部分があったり。

最後の皇帝であること以外何も知識がなく観にいったけどこれを観て思うのは、生まれてから監獄を釈放されるまで常に誰かに利用され、苦しむ人生だったのではと感じた。自分で意思を決定したつもりでも、自分で行動起こしたと思っていても
結局は、もう最高権力ではないなかお飾りの宮廷内で、また日本の管理下の満州国で悩み続けるの見ていて心が痛む。宮廷一歩でたら一般人、それどころか時勢によっては犯罪者にもなり得る恐ろしい状況。
改革をしたいとの思いで皇帝に戻りたかったのだろうか、それを途中で諦め傀儡になってしまったのか、見ていてやるせない気持ちになる映画でした。

事実かはわからないけど宮廷内の生活が驚きが多かった。赤ちゃん時代の排泄物を嗅いだり、皇帝のすることは誰かが責任を負わなくてはならない宦官たち以外は皇帝を絶対に見てはいけないなど。特に映画内でも指摘されていたけど、政治と象徴を分けている点では日本と類似しているとこがあるなと思いました。
宦官の歴史が800年もあって、宮廷内に1000人くらい?人がいるってのが一番驚いた。
家庭教師も言ったとおり宮廷にかけるお金少し減らしてメガネくらい作ってあげなさいよ それともなんか歴史とか宗教上の理由でメガネだめだったんか?その辺り分からなかったな。

あと主題とずれるけど、ジャズバンドがみんな白人なんだけど、黒塗りしてる姿を見て映画ジャズシンガーを思い出した。やはりあの年代はあれが当たり前だったのかな。

溥儀が最後宮廷に還ってくシーン不覚にもウルっときた。懐かしさ、子供の頃のあの無邪気さが戻ってきたかのようないい表情だった。

溥儀役の人みんな演技すごい!特に3歳のときの子役すごすぎる。少年時代、青年、壮年期みんな良かった。今の時代だからだけど、丸メガネ超カッコいい。映える。
この時代の中国史に興味湧きました。色々調べてみよう。
さなD

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