何気に初鑑賞。想像以上のスぺクタルに驚いた。その一方で、その内容はあくまでも溥儀という人物の個人史にフォーカスを当てた内容なので、清王朝の終焉から文化大革命まで目まぐるしく変化する社会のダイナミズムと、それに翻弄される溥儀のパーソナルな個人史との対比がとても面白い。
伝記映画は興亡の一途を辿る人物の振れ幅が醍醐味だけど、それで言うと溥儀は凄すぎる。幼き溥儀が鎮座し、宦官や女官で埋め尽くされる紫禁城と、観光地化して化石となった紫禁城の対比はエグ味がある。
この時代じゃなきゃ撮れないリッチなショットの数々と壮大な叙事詩を彩るデヴィッドバーン、坂本龍一が手掛ける劇伴を堪能できるので映画館で見れたら見た方がいい。
