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ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストアのazusaのレビュー・感想・評価

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ラストシーンの展開がとても良かった。溥儀の人生を見てきた鑑賞者にとっても紫禁城は思い入れがあり、久しぶりに戻った溥儀とともに懐かしさを感じていた途端に溥儀が消え、次の瞬間には観光客が押し寄せる。ガイドの説明を聞きながら見る玉座はさきほどとは全く異なって見える。歴史的遺構としてただそこにあるばかりなのが悲しいような、何とも言えない茫然とした気持ちになる。もうひとつ印象的だったのが西太后の崩御シーン。宮廷では本当に何もかも見られているのだなと実感した。死の瞬間さえ従者に囲まれ寝台ごと動く。迫力というか恐ろしささえ覚える。衣裳もとても美しかった。柄物が多かったけどあれは脚色なのだろうか?満州族は漢民族とはまた違った文化を持つからか異国情緒を感じた。しかしながら、やはり言語が英語なのがなんとも違和感と言わざるを得ない。溥儀が"papa!"と叫ぶのを聞いてしまうと中国語(満州語?)であったなら…という感じが否めない。とはいえ見応えは多分にあり、総じて観て良かった。
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