セッセエリボー

シド・バレット 独りぼっちの狂気のセッセエリボーのレビュー・感想・評価

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こうして見るとソロ2作はEMIとギルモアが枯渇寸前の泉から吸い上げられるものを吸い上げようとしているようにしか見えない。隠遁後のシドもといロジャーが一見すると狂人には見えず戦慄した、古井由吉「風邪の日」のような時間の流れ方してるんじゃないか。信じがたい無秩序さと過度な陳腐さのあいだを激しく往き来する彼の楽曲の独創性はやはり並外れており、名実ともにサージェントペパーズと表裏をなす作品であることをエピソードから確認できたのは嬉しかった。