山内

『越後奥三面―山に生かされた日々』デジタルリマスター版の山内のレビュー・感想・評価

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ダムで奥三面の村は消えてしまうが、それ故に後代まで伝わる記録が残った。記録になることで、引用することも可能になり、その引用可能性はあらゆる書物に奥三面の名前を残すことになるだろう。
遺跡は発掘して、記録され、その後は工事によって破壊されて、消滅していく。
自分は発掘の成果を社会に還元しようという気持ちはあまり無いけれど、破壊されて失われるその土地の記憶にはきちんと向き合いたいと思った。
壊すことでしか顕在化し得ない、記憶というのもある。土地の、ある意味での無意識をどこまで明るみに出せるか、それは記録者の腕に寄っている。腕磨きたいねえ。
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