たむ

フォロウィング 25周年/HDレストア版のたむのレビュー・感想・評価

4.0
クリストファー・ノーラン監督、仕事をしながら作り上げたデビュー作のリマスター版です。
あれから25年、初公開以来の鑑賞でしたが、これは面白いです。
作家のデビュー作には、作家の全てがある、とよく言いますが、その通りで、この作品から派生して、今のノーラン映画を構成しています。
ある意味で『インターステラー』の五次元世界とでも言えばよいのか、広がりのある作品です。
99年は、今考えれば恐ろしいほどの豊作な映画界でした。
世紀末という時代の不安か、禍々しい時代の雰囲気とでも言えばいいのか、本作のヒッチコックのように観えてくるシネフィル的なものが、不気味に表現されています。
なんだかよくわからないもの、それが自分自身である、というテーマがこの時代の作品の共通認識のようでもあります。
そこをうまく捉え、執念で映画にしたノーラン監督の狂気。
スタンダードサイズなので、やはりこの頃からIMAXサイズに近い映像の切取り方で、モノクロでもあり、クラシックでありながら、これまでにない感情を視覚化した作品ですね。
たむ

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