吉良吉影

フォロウィング 25周年/HDレストア版の吉良吉影のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

まるでフランス映画のような白黒映画。その所々に複雑な時間軸や衝動感に駆られるサウンド音など、この初期作品からでもノーランらしさが垣間見える。この頃からも、こういう路線で映画を作っていこうとしていたのだろうか。

内容は至ってシンプル。ストーカー野郎が偶々尾行してた奴が泥棒で、一緒に泥棒をしていくなかで、状況がどんどん悪化していく。終始何がしたいのか分からないコッブが黒幕だったが、結局何がしたかったのか分からなかった。

サスペンスとしてはありがちな内容になると思うが、時間軸の見せ方によって気を衒うような作品に仕上がっている。『オッペンハイマー』も同様。伝記としてはありがちになりそうなところを一手間加えることで、エンタメ性がより飛躍する。

ただ自分的にはやはり洗練された『メメント』の方がこちらよりも好みだ。
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