シモン

フォロウィング 25周年/HDレストア版のシモンのレビュー・感想・評価

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処女作にしてはかなり見応えのある映画だった
まさにノーランの起源と言える

ファイトクラブやロストハイウェイ、マルホランドドライブ、アレックスともに制作年が近いのは偶然なのだろうか…?
と思うほど類似性が見て取れた

サフディ兄弟もこれに憧れてグッド・タイムというクライム映画を作ったんだろうか

アンダーザシルバーレイクの、売れない俳優が陰謀にのめり込んでいくという設定も近しいものを感じた。



▼ネタバレあり

この映画は、ビルがまんまと犯人に仕立て上げられ罪を被ったという解釈もできるし、一方で全てが病を抱えた作家の妄想譚だったとも捉えられる
まさに最後のコッブが消えていくシーンが両方の意味合いを持たせている

後者の場合は、ビル自身が愛人を殺してしまったという事実を、作家なりに壮大に脚色し、コッブという架空の男のストーリーを作り上げて「以下の話」(Following)を警察に語ったのだろう

完全犯罪を成功させた男
vs
完全犯罪というフィクションの物語を作り上げてここぞとばかりに自慢げにそれを警察に語ってしまい弁解に失敗した売れない作家
という皮肉的でユーモラスな難解構造映画だった

ノーラン自身も四六時中、変な妄想がつきまとって(Followingされて)仕方がなかったんだろうな…
シモン

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