ほ

フォロウィング 25周年/HDレストア版のほのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

今をときめくノーランの処女作。時系列のザッピングはこの頃から変わらず彼のこだわりを深く知れて良かった。
約6000ドル(日本円で90万ほど)と低予算映画でも脚本のロジックがそれを感じさせず質の良いフィルムノワール。
2001年制作でも全編モノクロなのはあえてらしい。白黒特有のハイコントラストな画面がミステリアスな物語を彩っていた。

断片的な出来事が最後に繋がる、ミステリー要素が面白かった。よく考えるとご都合主義な所もあるけど見ている時はそれが気にならない、良い意味での嘘がうまい。

音の使い方もよかった。物語がボイスオーバーで始まり、その次のオノマトペがうまく表現できないがザザザ…という感じの音が記憶に濃い。

うだつの上がらない作家志望の男が趣味が良いとは言えない尾行行為にハマり、謎の男に誘われて暗部に入りこみ…。70分という映画にしては短い尺でも2人の男と1人の女を軸に展開され先が読めず見応えがある。ビルは結局コップの掌で踊っていて彼を待つのは破滅だったが、コッブは食えない男で俗っぽく、謎めいた金髪のヒロインを殺害して彼女よりも秘密の多いクライム映画の魅力的な悪役だった。最後の群衆に紛れるシーンが印象的。
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