ヤベヒロシ

フォロウィング 25周年/HDレストア版のヤベヒロシのレビュー・感想・評価

4.0
クリストファーノーランの処女作。
オッペンハイマーを観に行かずに、本作を観に行く私は、だいぶ酔狂なことをやっているとは思うのだが、さすがのクリストファーノーランと舌を巻くような傑作だった。

特に説明もなく、時間軸が自由に行き来するような展開なので、「このシーンはいつの何の場面だ?」と当初は頭が混乱するのだが、ある程度時間軸の見せかたに規則性があることにも途中で気づくし、それをわかった後もどんでん返し含めて、観ていて心地よい。
本作を時間軸通りに単純に映していたら、それほど面白い作品でもなかったようにも感じるし、演出の妙がここにある。

本作は70分しかないそうだが、濃密なので70分で十分、むしろこれより長いと冗長さもあったように感じるし、その辺の配分も絶妙だとは思う。

白黒映画なのも乙であり映像に含蓄もあるようにみえるし、何よりラストの爽快さというか、思わず声が出るような展開に、「すげー」と声も出てしまった。

コロナ渦前は、古い映画を上映するという文化はごく一部でしかなかったと思うが、最近は古い作品もレストアだので当たり前のように映画館でかけてくれるような文化ができてきたので、これはこれで映画好きからしたら本当にありがたいと感じます。映画館で観るとやはり違いますからね。
ヤベヒロシ

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