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ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版のunkoのレビュー・感想・評価

3.8
ジョーン・リンジーの「Picnic at Hanging Rock」が原作。
1900年2月14日の聖バレンタインデー、寄宿学校アップルヤード・カレッジの生徒は近場の岩山ハンギング・ロックへピクニックに出かける。
ハンギング・ロックは特殊な岩場で磁気が強い。その特殊性を調査するため、マリオン(ジェーン・ヴァリス)、ミランダ(アン・ランバート)、アーマ(カレン・ロブソン)、イーディス(クリスティーン・シュラー)は岩場を登り始めるが…。

4Kレストア版が公開中です。
すごく綺麗な映像なので、ぜひお勧めします!(もうすぐ終わってしまうかもしれませんが…)
話の内容はシンプルで、特殊な日に特殊な岩場に登った聖少女達が何かに飲み込まれて戻ってこれなくなるというもの。
実話テイストで語られるが、夢の話なので実話ではありません。

特筆すべきは学校と岩場だけで107分持たす。岩場で流れる謎の不協和音のような自然音のような…。
ただの岩場が顔のように見えたり、顔や足に蠅が大量についたり、謎の踊りやフワフワと無言で登っていく様などイチイチ気持ち悪い。
カメラワークも観ていると薬でもやっているかのように回転させたり重ねたり、酔う。

寄宿学校で抑圧された少女や指導員が何かに導かれるように、外界(異界)に開放されたことで、自身を縛るもの全てを取り払い、どこかに去っていった。

そして残された者たちの末路。特に校長とセーラ…。セーラは開放されただろうけど、校長も苦しみながらも開放されたのだろう。
物悲しい終わり方だけど、神秘的で不気味な映像はなかなか観ることができないかも(現場では太陽が昇っているのに、なんて不気味なんだ!)
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