逃げるし恥だし役立たず

幕末太陽傳の逃げるし恥だし役立たずのレビュー・感想・評価

幕末太陽傳(1957年製作の映画)
4.5
江戸古典落語の『居残り佐平次』『品川心中』などの題材を風刺喜劇にした川島雄三監督の代表作。
川島雄三のセンスは見事で、佐平次(フランキー堺)がスクリーン狭しと暴れ回るブルーでハッピーな大傑作。本作の魅力は石原裕次郎達の豪華出演陣に喰われる気配を見せないフランキー堺に尽きる。兎に角フランキー堺の動きが良く、軽妙な掛け合いで、作品をすいすい泳いでいく。
川島雄三監督は左平次が現代の東京を走り回るラストを考えていたが、個人的には省いて正解。既に完成形だからだ。逃げる人生も最期まで逃げ通せば確かな人生である。あれこれ悩む前にフランキー堺を見て爽快感を感じてほしい。