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夕陽に向って走れのHKのレビュー・感想・評価

夕陽に向って走れ(1969年製作の映画)
3.5
原題は“Tell Them Willie Boy Is Here”
(彼らにウィリー・ボーイはここだと伝えて)
同年に既に公開されていた大ヒット作『明日に向かって撃て!』と同じくロバート・レッドフォード(当時33歳)とキャサリン・ロス(当時29歳)が主演なので、こんな邦題に。

こちらは『明日に~』のような派手でポップな映像と音楽は無く、ひたすら地味。
インデイアン同士の殺人と駆落ち、それを追う保安官を描いた実話ベースの異色西部劇。
インディアンのウィリーを演じたのは今年の春に亡くなったロバート・ブレイク(当時36歳)、駆落ち相手のインディアンにキャサリン・ロス、それを追う保安官がレッドフォード。

顔つきがメキシコ系やインディアンでも通用しそうなブレイクはまだしも、浅黒い肌のメイクでインディアンを演じたロスは今ならポリコレの観点からNGでしょう。
でもこの褐色の肌と黒髪がめちゃくちゃキュートです。
あらためて見るとこのタレ目加減はアン・ハサウェイにも少し似てますね。

主役はどちらかと言うと逃げるインディアン2人の方。
(本作のインディアンはパイユート族と言うらしく初めて聞きました)
保安官の方のキャラはというと性格も良くなくあまり魅力はありません。それにレッドフォードはこのキャラにはイケメンすぎてどうも似合いません。それともお相手のスーザン・クラークはこんなヤな奴でもイケメンだから離れられないということでしょうか。
そういえばレッドフォードとブレイクは『雨のニューオリンズ』でも共演していましたね。

監督はD・シーゲルの『刑事マディガン』やM・ロブソンの『アバランチ・エクスプレス』の脚本を書いたエイブラハム・ポロンスキー。
音楽はデイヴ・グルーシンですがこの頃はまだフュージョンっ気はなく、クインシーやゴールドスミスっぽい曲調。

実は本作はずいぶん昔TVで一度観ていますが、放送事故だったのか終盤で吹替のセリフがいきなり英語になってしまい、そのまま放送終了。
話は忘れたくせにそのモヤモヤだけはずっと憶えていました。
今回CS放送で晴れて終盤以降のセリフを字幕付きで観れたわけですが・・・
とくに意外なセリフもなく、勝手ながらちょっと肩透かし。
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