ShinMakita

夕陽に向って走れのShinMakitaのレビュー・感想・評価

夕陽に向って走れ(1969年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.1
☆Filmarks基準スコア:3.2



1909年、カリフォルニアの荒野にある街。ここには先住民パイユート族が暮らすモロンゴ居留地があった。祭りの日、先住民の青年ウィリーボーイが居留地に戻ってきた。以前に恋人ローラと駆け落ちしようとし、彼女の父に脅され去った男ウィリー。しかしムショ暮らしで度胸がついたのか、再びローラと一緒になるため舞い戻ってきたのだ。深夜ローラと密会し愛を確かめたウィリーだが、気付いた父親に襲われ殺害してしまう。街の保安官クーパーは、隊を率いて逃げたウィリーとローラを追うのだが…





「夕陽に向かって走れ」




法執行機関役をほとんど演じていないレッドフォードが、珍しく保安官に扮した異色西部劇。人種差別を取り上げた社会派的側面もあるにはあるけど、キャサリン・ロスやロバート・ブレイクをメイクで「インディアン化」させるのは、今の時代ではNGですよね。乾いたタッチで若者の破滅を描くのは実にニューシネマ的。

先住民の生き辛さだけでなく、女性の生き辛さも描いているのが特徴。主演のレッドフォードやロバート・ブレイクと同じく存在感があったのは、居留地監督官の女医エリザベスを演じたスーザン・クラーク。いつの時代も、間違った社会にNOと言いたいのに男たちに話を聞いてもらえない女性の苦悩は在るんですな。
全く西部劇らしく無いサスペンス映画調のグルーシンのスコアが、後半20分の無言の追跡劇の緊張を高めます。まずまず。
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