オッペンハイマー、ダークナイト、インターステラーなどで知られるクリストファーノーランの処女作。悪夢にうなされる男の話。
ノーランはタランティーノ並みの映画オタクですが、処女作の今作でもそういった要素が遺憾なく発揮されていました。映画における蜘蛛っていうのは明らかにベルイマンのペルソナから来ているし、目のクローズアップはノーランお気に入りブレードランナーからの引用であり、オッペンハイマーでも使われているショットの１つです。後のTENETやメメントでもお馴染みの逆再生はジャンコクトーのオルフェ、言わずもがなインセプションにも通ずる今作の夢のモチーフはデヴィッドリンチ、ルイスブニュエルあたりのオマージュでしょうか。唯一他のノーラン作品とは違って今作はホラー的なジャンルなんだけど、でも彼はホラーも好きだって言っているし、もしかしたら今後そういったジャンルに手を出す可能性もあるのかなと思いました。
