慈

人生って、素晴らしい/Viva La Vidaの慈のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「奥利给!」とお互いに伝え合うシーン、「我爱你!」じゃないのに愛しかなかった。好きな映画は沢山あるけれど、この映画に出会えて良かったなあと感じたのは久々でした。

映画を観たあと、臓器移植ネットワークのページを読みました。優先提供の場合、配偶者や子どもなどの親族であること、医学的な条件(適合条件)を満たしていることが必要となります。リンミンとリュトの2人を思い出し、また込み上げるものがありました。
高校生の頃、地元の図書館かどこかで手に取った臓器提供意思カードを財布に入れて持ち歩いていたことがあります。脳死、心肺停止の意味も良く分からず、とりあえず1.に◯をつけて。それを見た母に、臓器提供なんてひとりで考えてやるもんじゃない、気軽に持っていいものじゃないと怒られ、思春期だったわたしも「それなら臓器提供なんかせんわ!」と机に叩きつけました。今だったら、リュトの母親と、あのときの母の表情が重なります。映画内でもあったように、最終判断は家族の総意です。母がカードをいまだに持っているかは分かりませんが、今度会ったとき、臓器提供のこと、この映画のこと、もう一度話そう。

酔いそうなカメラワークも、思いきっり映る吐瀉物も、このなんともいえない邦題も、どこに売ってるねん...ていうファッションも、もうこのままでいい!どうか小綺麗にリメイクされちゃわないで!

この映画がたくさんの人に届くといいな。
慈