半兵衛

明日では遅すぎるの半兵衛のレビュー・感想・評価

明日では遅すぎる(1950年製作の映画)
2.7
同時代の日本で作られていた石坂洋次郎原作の青春映画を彷彿とさせる、愛と性の狭間で悩む少年少女と古い性の概念で若者を縛り付ける大人たちの対立を牧歌的に描いた一作。性の問題を取り上げているという割には「赤ちゃんはどこから生まれるのか?」という話題を子供目線で取り上げていたり、今のグラビア程度の青年雑誌に乗る女性の写真に大人が目くじらを立てる程度なのでますます戦後の青春映画みたいな作風に。

そんな本筋よりも、ジェームス・ディーンの恋人で知られ早世した女優ピア・アンジェリの初々しい姿(このとき17歳くらい)や、当時のイタリアの若者がどういう生活をしていたかに目が行ってしまう。先生に隠れて手紙を書くも見つかる…というシチュエーションはどこの国にもあるのね。

ヴィットリオ・デ・シーカ演じる生徒みんなから尊敬される、優しくくだけた態度の先生もいい味出してます。
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