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幸福な装置のtweedleriddleのレビュー・感想・評価

幸福な装置(2024年製作の映画)
3.7
『幸福な装置 田中晴菜監督特集上映』 にて。

Filmarksには、あらすじが書いていないので、池袋シネマ・ロサさんのHPより引用。↓

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あらすじ:生きものが丸切りいなくなって、千年ほど経った星に残された一体のAI。人の心の恐れや痛みを和らげ、祈るために神の似姿として作られた彼は、渡りの途中に立ち寄ったつばめ(スパイ用に作られた長距離高速移動型AI)に出会ったことで、初めて自らの心の輪郭を感じ始める。つばめが去った後、身体を失い、思考回路のある心臓部だけの「小石」のような見た目になっても、彼は過去の記録を反芻し思考し稼働を続けていた。ある日その傍らに、生きている何者かが内包された、生命維持装置カプセル「棺桶」が落ちてくる。
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オスカー・ワイルドの『幸福な王子』から着想を得て作られたとのこと。タイトル『幸福な装置』と似ている。朗読劇のような形式。

登場人物は生き物ではないから、感情はなく、淡々と朗読を進めていく形なので、正直眠くなってしまった。また言っていることも抽象的だったためでもある。

分からなすぎたので、パンフレットを購入し、読ませていただいた。脚本がそのまま載っていたので、それでやっと何となくわかったような気がする。
具体的にしてしまうとイメージが固まってしまうので、抽象的な表現することによって、人よって解釈は異なるようにしているのかもしれないと思った。

AIが出てくるような未来の話なのに、棺桶はとてもアンティーク調であること、衣装も未来的ではないので、あえてそのようにしている意味があるのかなと思った。

パンフを読み、小道具や衣装の造られた方々の並々ならぬ思いがあることを知った。映像で観ただけでは分からないので勿体無いと思った。衣装展を期間限定でやられているとのことなので、もし機会があれば行ってみようかなと思った。

また、この監督作品の映画の空気感・根底に流れている何か物哀しさを感じた。他の4作品にも同じようなものが流れていると感じる。なんと呼んだら良いかわからないそれがこの監督作品の良さだと思った。
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