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劇場用再編集版 ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOPのikarushのレビュー・感想・評価

4.1
【同名ソシャゲを長くプレイしている関係上、評点が高いです。全くの知識ゼロでの評価でないことをご理解ください】

ナリタトップロード、テイエムオペラオー、アドマイヤベガの3頭のウマ娘が、皐月賞・日本ダービー(東京優駿)・菊花賞の「クラシック三冠」と言われるG1制覇を目指す戦いを描いた映画。

当映画はもともと「ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP(同名)」題を全4話にて、ウマ娘の公式YouTubeチャンネルで配信されていました。そのアニメ動画各話をつなげシーン追加したものとして映画化されたものが今作映画となっています。

配信動画は一切見ておらず今回映画が初見でしたが、正直何度か泣けました。

雑にコメントすれば「レース前とレースに焦点を当てたスポコンアニメ」です。
3者3様の姿勢・レース運びがあり、どのように戦い抜くかが焦点ではあるため、特筆して何がスゴイという事はありません。なのでこの評価はファンとしてのスコア。

ただ擬人化された学生である各ウマ娘を史実などと上手く合わせながらドラマ化している点は、リアルドキュメンタリーを脚色・演出したような物語で見ごたえがあり感動しました。

特に心を揺さぶられたのはアドマイヤベガの物語り。
アドマイヤベガはそもそも双子の出産でしたが、その出産時に1頭を選ぶか両方諦めるかという選択の中で、(作中では)妹として描かれる子が取り除かれアドマイヤベガのみ生を授かります。
そんな「もともと双子だったが、妹の命を無駄にせず走り勝つ」事を常に求め続けるアドマイヤベガは、常に妹の存在を気にかけ心の中で会話しながら歩を進めていくのですが、東京優駿(2戦目)レース後に妹から「菊花賞(最終戦)でお姉ちゃんの脚は…」と不吉な知らせを受けます。

実際にアドマイヤベガは菊花賞を最後に引退するのですが、この映画を見ている時点ではアドマイヤベガの詳細は知らず、また自身の競馬を振り返る中で大変ショックだった「サイレンススズカ最期のレースとなる天皇賞・秋」で起こった事件のシーンが、まざまざと脳裏によみがえりボロボロ泣いてしまいました。(サイレンススズカの詳細は割愛)

ただスコア4.1としながらも高評価というだけではなく不満点もありました。
特に感じたのはフレームレート(コマ数)と音質。
フレームレートは1秒間に何枚・何コマで描写するのかというもので、枚数・コマ数が増えるごとに描写が滑らかになります。
恐らく元々がYouTube配信用に作られたもののため、30ないしは60フレーム程度。テレビ放送用のアニメでは十分なフレームレートですが、近年のアニメ映画では120などもあるため、その辺り「テレビアニメをそのまま映画館で見せられている」感じが非常に強くありました。

また音質も上記同様「テレビの音質をただ大きくしただけ」のような質感があり、ドルビーアトモスのような〇.1チャンネルには遠く及びません。そのために映画への集中・没入が少々薄れたかな?という印象がありました。

とは言えストーリーにおいて感動もひとしおであったので、概ね高評価としています。

【備考】
映画同名タイトルのソシャゲ「ウマ娘 プリティーダービー」は、ここ2.5年ほどほぼ毎日プレイ。ナリタトップロードを除くテイエムオペラオーとアドマイヤベガは所持済。

また当映画の詳細はおろか各馬の名前程度しか知識有りませんが、競馬界の黄金世代と言われるスペシャルウィークやサイレンススズカ、エルコンドルパサーなどが活躍していた時代には、実際に東京競馬場に足を運びレースを見ていた勢です。
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