ペコリンゴ

もしも昨日が選べたらのペコリンゴのレビュー・感想・評価

もしも昨日が選べたら(2006年製作の映画)
3.8
記録。
「今から君の人生が激変する」

個人的にご無沙汰だったアダム・サンドラー主演コメディ…というか結構ジーンとするイイ話。

アダム・サンドラー扮するマイケルは妻子ある建築士。出世のために家庭を疎かにしがちな彼がある日手に入れたリモコン。それはまるでDVDを操作するかのように人生を操作出来る代物であった。夫婦喧嘩など面倒な時間、やがては仕事までも早送りして出世に邁進するマイケル。だがそこには意外な落とし穴が…。

このリモコン凄いんですよ。
操作できるのは時間だけじゃない。

吠える犬やうるさい人間に対して音量を下げて無音化したり、色調調整で肌の色を変えることだって可能。劇中ではアダム・サンドラーがハルクみたいに緑色になっててウケました。

とはいえ、やはりメインとなるのは時間制御系の機能。これが意外と融通が効かないんだな。

早送りや自分以外の一時停止は可能ですが、巻き戻しで過去に戻ることは不可能のようで過去の出来事を第三者視点で見ることが出来るだけ。

スタンドで例えると、
ザ・ワールドとキング・クリムゾンの能力+αを手に入れたようなものでしょうか。

そんなリモコンを手にしたら、皆さんならどうするでしょう?

マイケルは仕事人間ではありますが、家族に愛が無いわけではありません。家族を裕福に、幸せにしたいがために出世を望むのです。

しかしその過程をスキップしたがために負った代償はあまりに残酷なもの。如何なる時間もすっ飛ばすには惜しい大切なものなのでしょう。

リモコンをくれる見るからに怪しいクリストファー・ウォーケン、何故夜の営みを早送りするのか意味不明なほど美しいケイト・ベッキンセイルと、脇を固めるキャストも華があります。

下ネタや、安易と取られかねないオチには賛否ありそうですが、今こうしてる時間すらも愛しくなる…かもしれない割と好みの映画でした。