ちゃ鍋

美しい夏のちゃ鍋のレビュー・感想・評価

美しい夏(2023年製作の映画)
2.5
原作はパヴェーゼの美しい夏。
個人的な感想としては、見た後に素朴に、スレてしまったな、と感じた。
自分の年齢的に完全なる非当事者とは言い難いが、しかし彼女たちとは明確な隔絶があり、中学時代に本作と近しい青春時代の同性愛を主題に描かれた映画をを見たときを想起して、当時のような感動はもうできないことをまざまざと感じさせられた。このような青春映画は、当事者性がない立場から見ると関係性を消費するか、考察するかという見方しかできないのかもしれない。
本作の彼女たちの関係性は変身願望(同一化の願望とも言えるか)と共依存がうまいこと合致した結果起こるものな気がして、それって友情とも愛情とも言い難いなにかだと思った。何。男性に耐性がない田舎娘のジーニアと、モデルとして男性の目線を浴び続けた上に梅毒にかかって、男はもう懲り懲りな感じのアメリアという二人だったから特に二人の関係性は痛々しく感じた。
いくつかイタリアが舞台の青春映画を見たが、イタリアという地はこういう思春期の苦くも美しい愛みたいな主題が描きやすい地なのだろうか。それとも知らないだけで何か文脈があるのか。
青春時代にもっと青春映画みておくべきだったと久しぶりに主人公が思春期学生の映画をみて思った。
ちゃ鍋

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