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塵のKHのレビュー・感想・評価

(2012年製作の映画)
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「かたつもり」で被写体となった監督自身の養母を描いた最後の作品「塵」では、おばあちゃんが老衰していき死を迎えるシーンまでを映像に収めている。
「かたつもり」では監督が初めて映像を撮っていくことで個人的記録から脱却し、客観的に捉えれる感覚を初めて身につけ「作品」が完成したとトークショーで言っていた。
この作品では、おばあちゃんの死を不条理だと悲しむ娘の視点と「かたつもり」にはなかった母としての視点も描かれている。
しかしこの映像は単なる記録出ないと考えると、やはり映画なのであり、「監督河瀬直美」としてこの映画を完成させたのだと思う。
作中では90代のおばあちゃんのよぼよぼのお腹、そして乳房までも映像に収める。
この作品は映画監督としての河瀬直美に感動するのは勿論だが、それ以上に監督の覚悟とその恐ろしさを感じた。
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