萩原くわがた

スクワームの萩原くわがたのレビュー・感想・評価

スクワーム(1976年製作の映画)
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ものすごい量の凶暴化したゴカイに町一つが襲われる話ということで、ゴカイがうじゃうじゃと蠢いたり、うねる姿をアップにした映像をたっぷり振る舞ってくれる。
事前の予想通り生理的嫌悪感を刺激し精神をガンガンに殴りつけてくる地獄映像はなかなかに恐ろしかった。

意外なのはこの作品の主人公の男女カップルのうちの男性のキャラクター。最初はおっちょこちょいでナヨナヨしてて変におしゃべりなナード眼鏡で、彼女はなんでこんなのと付き合ってるんだ?と思うような印象。なんかすぐ死にそうだし…
しかし死人が出て事件の香りが漂いだすと、非常に行動的に解決へ動き理性的な推理力を発揮しだす。そして彼女への気遣いは常に行い優しく、普通にかっこいい。
ラストのゴカイ大パニックになるともう、アクション映画のヒーローかと思うようなマッチョな活躍まで見せてくれる。超かっこいい。
彼女さんがこの男をなぜ彼氏に選んだかはもはや一目瞭然、いざという時には本当に頼りになる男だったんだ…。

音楽もなかなかに盛り上げが上手くて、見る前は悪趣味一辺倒の虫ウジャウジャホラーかと思ったらサスペンス要素やキャラクター描写なんかも丁寧に盛り上げができてて真っ当にホラー映画として面白いなあと思った。まあ、ゴカイは本当に気持ち悪いんですけどもね…。