阿房門王仁太郎

死刑執行人もまた死すの阿房門王仁太郎のレビュー・感想・評価

死刑執行人もまた死す(1943年製作の映画)
4.0
この映画には殺された者のみが映される。殺人犯やその決定的な瞬間は無く、犯人も「無名のプラハ市民」かナチの一人に過ぎない。即ち裁判が無いのだ。
裁判が無いとは、決定的な史実の欠如でありこれは勝利を無降伏を掲げ勝利を寿ぐプラハ市民と妥協的な解決を計り用済みなネズミを始末したナチの事務的な態度の差によく現れている。詰まり作中のチェコには(歴史的事実も踏まえて)暫定的な勝利しか齎されていないがその流血の末の暫定や妥協の中に戦い生きる点を写す故にこの映画は民主主義的と思える。
阿房門王仁太郎

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