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フィアレスのameriaのレビュー・感想・評価

フィアレス(1993年製作の映画)
4.2
飛行機墜落事故に遭いたくさんの人を救ったマックス。彼をヒーローだと崇める傷を負った人たちを癒す反面彼は奇行をくり返し家庭は壊れていく…死に直面し怖いものがなくなったとか世間と自身とのギャップ、とかよりもっと根深くて救いがたく心の内が見えたとき涙がもう…🍓

『モスキート・コースト』では一からつくりあげたもの(文明)が崩壊して絶望するさまが核爆発や核戦争のように描かれていた。こちらでは生存者のセラピーが本筋忘れるほど痛々しく慰め合うどころか誰かが誰かのせいにして咎め合って争う姿が、人は結局争わずにはいれないんだと暗喩してるように見えた。

ピーター・ウィアー監督子供の頃から馴染みのある『トゥルーマン・ショー』は置いといて意識して見出して3作目なんですが、テーマがずっと一貫してるというか生と死ってよりずっと「死」と「破壊」に拘ってる気がする。説教くさくじゃなくいつか誰にでも当たり前に訪れるものとして、愚かなものとして。なのでセラピーのやりとはジェフ・ブリッジスを忘れてしまうほどキツくてそのあとジェフが映っても入ってこず「あれ?この映画なんだったっけ?」って思うほどだった。トゥルーマン・ショーも後々考えると結構怖い話だよなって思うからやさしい顔してブッ刺してくるなこの監督はって毎回思います。好きです。

出てるとなんだか観てしまうジェフ・ブリッジスが先日観た『モスキート・コースト』でハリソン・フォードを害悪親父にしてくれたピーター・ウィアー作品に。わっけ〜!ほんとは脆くて突くと壊れそうな眼差しが憎い。あと片腕で赤ちゃんヒョイっと抱えてる男性好きなんですよ。なので冒頭ずっと萌えてました。
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