このレビューはネタバレを含みます
シャイニングというタイトルがまさかそっちの意味だとは思わなかった。
少なくとも3つの軸が交差している。
一つはホテルの心霊現象。
もう一つはダニーの超能力・トニー(これがシャイニングだったとは...)
最後はこれらを合流した場所、インディアンの墓場。
キューブリックはすごい。多次元映画とでも呼ぼう。
冒頭にホラー映画の醍醐味である怖いシーンを持ってきてしまうという手法。それがダニーのシャイニングによるものだと理解すると、とても納得がいく。
だからこれは単なるホラーものではないんだとここで実感する。
ホテルの心霊現象はそれらシャイニングとは別種に存在し、精神的障害を煩わせる。ある種のホーンテッドマンションの先駆けか。1000人目のお化けを呼び込むようだった。
そしてなぜそれが起きたのかというのが問題だが、それが場所性だとして、明らかになっているのはインディアンの墓場くらい。何かホテルに怨念があるというわけでもなさそうだが...
場所に呪いが残るのはよくあることだろう。それらを引き合わせてしまったという解釈である。
つくづく哀れというか。エスターでもそうだが、父親はそういう対象になりがちなんだろうなと。父性、暴力性の爆発?
時計仕掛けのオレンジもそうだが、当時の人たちがこれを楽しんでいたとすると、なんて今の映画はチープなんだと思わされる。