犬さん

シャイニングの犬さんのネタバレレビュー・内容・結末

シャイニング(1980年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

 全体的にストーリーが浅く、内容にも満足できなかったです。他の方が、なぜ割と高評価なのか正直理解できないです。

 途中からの夫の表情も気に入らなかったですね。狂気の世界に取り込まれた人間を表しているのでしょうが、表情がしつこすぎだと感じました。

 また、子どもを窓から先に逃し、母親も続いて逃げようとした時、もう少し粘って欲しかったです。焦っているのは理解できますが、周りを見渡し使えそうな道具を探す動作くらいあっても良かったのではないかと思います。その後も、ひたすらわーわー言うのではなく、息を潜めて待てば良かったものを、逆に狂気の夫を煽る形になった感じがします。

 料理人が来たところの描写ももったいないですね。あっけなさすぎです。助けに行く過程を尺とっているのに、到着してからの流れが意味不明です。料理人自身も危険な状況であることを察していそうな雰囲気があるため、もっと周囲を見渡し注意しながら歩く、何か武器になるものを持つなど、もう少し丁寧な作りにできなかったのか疑問が残ります。

 ホテル内に出てきた姉妹に関しても、もっと掘り下げても良かった気がします。ちょっと出てきて消え、ちょっと出てきて消え…。それだけ?って感じました。なぜこのような立場になったかの経緯をもう少し話させる、話せないのならその理由を行動でしめさせるなど、せっかく出てきたのに少し出て終わりじゃストーリーに深みが出ないと思うのですが…。それが狙いなのでしょうか。幼い息子の頭に、そこまで問うのは酷ですかね。母親の前にも出てきて、母親からいろいろ質問させても良かった気がします。

 最後の庭園内の迷路で狂気の夫が息子の足跡を追う状況に関して、途中で息子の足跡が消えていて再度探そうとした時に不敵な笑みを浮かべる狂気の父親。父親はホテルに来てすぐの頃に、庭園内の迷路の模型を見ていました。それが伏線となっており、その伏線を回収するのではと期待していたのですが、何も起きず息子に逃げられてしまいます。せっかく迷路の状態を知るシーンがあったのに、なぜもっと活かさなかったのか不思議です。迷路の状態を知っていたからこそ、息子の追跡時に先回りできても良かったのではと感じてしまいます。狂気状態であったために、理性的な考えができなかったのならば、そこの描写を入れても良かったのではないか。もし先回りできていたのならば、あっさり奥さんと息子に逃げられることもなかったでしょうに。
庭園内に一人残される狂気の人間を描きたかったのでしょうか。最後は理性を取り戻し、息子に話していた言葉を思い出したのでしょうか。それとも早くみんなのいる所へ行きたかったのでしょうか。
犬さん

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