ゴン吉

ガメラ 大怪獣空中決戦のゴン吉のレビュー・感想・評価

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)
4.0
怪獣映画「平成ガメラ」3部作の第1作目。
金子修介が監督、樋口真嗣が特技監督を務める。
伊原剛志、中山忍、藤谷文子、小野寺昭、螢雪次朗らが共演。 

太平洋を航行中のプロトニウム輸送船海竜丸が巨大な漂流環礁により座礁する。
一方、五島列島・姫神島では住民と連絡が取れなくなる事件が起きる。
福岡市動物園の職員(中山忍)が地元刑事(螢雪次朗)とともに姫神島へ調査に訪れ、そこで3体の巨大な鳥のような生物と遭遇する。
謎の飛翔生物を捕獲するため、福岡ドームにおびき寄せるが…

昭和の「ガメラ」シリーズは少年が主人公で子供向けの作品であったが、平成ガメラは大人でも十分楽しめる。
特に女性の活躍が目立つのが興味深く、ヒロインを演じた藤谷文子はスティーヴン・セガールの娘で、本作が映画デビュー作。
CGがハリウッドで導入されはじめたばかりの頃の作品で、本作でもいち早くCGを取り入れ、特に81式短距離地対空誘導弾・短SAMの弾道映像やガメラの飛翔シーンで効果的に使われている。
怪獣バトルシーンでは、勢い余って大気圏外の宇宙まで飛び出してしまうのが、少し滑稽でもある。
現在のレベルから見るとCGの質はかなり落ちるが、当時とすれば最先端の映像技術で、本作品はその点でも注目された。
一方、建物はまだ手作りのミニチュアで、新旧の撮影技術が混在しているのが味わい深い。
本作ではギャオスを捕獲するために福岡ドームが使われるのに対し、昭和の「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス」では名古屋を襲撃したギャオスから身を守るために人々が中日球場に避難するのが対照的。
本作ではガメラの誕生秘話についても語られるのが興味深い。
また核や環境変化に警鐘を鳴らしている。
果たしてガメラは何故日本にやってきたのか?
「次にまたガメラが来てくれるとは限らない」
「来るよ ガメラは きっと来るよ」  

2023.8 TOKYO MX TVで鑑賞(ガメラ祭り)
2023.1 BS12で鑑賞(日曜アニメ劇場・特別編)  
第19回日本アカデミー賞で優秀助演女優賞を受賞(1995年)   
キネマ旬報ベストテンで6位(1995年度)
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