ずどこんちょ

ガメラ 大怪獣空中決戦のずどこんちょのレビュー・感想・評価

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)
3.8
平成ガメラ3部作、最高!!

大人になってから見てもガメラはすこぶる面白い。
公園の看板の文字一つ一つまで精巧に作られたミニチュアも興奮するし、
数万年前の古代文明が創造したガメラやギャオスという怪獣たちが現代社会に蘇って人々を巻き込む様子を、プルトニウムを創造して何十万年後の後世へ負の遺産として残そうとしている我々への皮肉としてそのまま描いているのもグサっと心に突き刺さります。

特に私がガメラ派なのが、ガメラは人を守るということ。彼は怪獣の姿をした正義のヒーローなのです。しかしその風貌から誤解を生み、自衛隊に攻撃されてしまいます。
何も分かっていない多数派の人間たちが、孤軍奮闘しているヒーローを総攻撃し、
己のピンチの時にはそのヒーローが現れてギャオスから世界を救ってくれることを願っている。
そんな身勝手で自分本位な人間のありふれた醜さに対して、ガメラは怒りの鉄槌を下しません。
ただ冷静に粛々と自分の使命をやり遂げます。無知な人間たちに攻撃されても、彼らを憎まない。
その勇姿に憧れるのです。

『シン・ゴジラ』で話題沸騰となった樋口真嗣監督の当時の特撮技術も光ってましたし、
自衛隊役で途中なんのセリフもないけどデビューしたての佐藤二朗が出てきたことに驚きました。若々しい!
喋らなくてもインパクトのある顔でした。