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暗闇にベルが鳴るのHKのレビュー・感想・評価

暗闇にベルが鳴る(1974年製作の映画)
3.6
ロイ・ムーアの最初の脚本(モントリオール郊外で起こった実際の連続殺人事件がベース)は猟奇的過ぎるという理由で売れず、読んだボブ・クラークが表現を穏やかにすることで撮影に漕ぎ着けるがその際、クラークはある実験を試みた。もちろん、最後まで犯人を見せないことである。しかし犯人には確かに見えている、というその主観映像だけでも充分不気味なんだが、追い討ちを掛けるのがあの映画史上もっとも気色悪い電話の声。これは俳優の男女ふたりとクラーク自身の声をミックスして作ったという。現在の感覚で観ると、思わず見落としてしまうのがリアルな女子大生像で、これまでは映画に出て来る学生といえばバカだと相場は決まっていたのだ。で、これを観てなるほど!と思った人物がおり、そいつはクラークに近付くとファンだと言って映画を一緒に作るべく動くが頓挫、だがその時、なぜこの続編を作らないのか?と訊いた。もし作るとしたらどういう風にする?と重ねると、クラークは結局犯人は捕まっているが、ハロウィンの日に逃亡して女子寮に向かうんだ、と答えた。これがクリスマスなので、続編はハロウィンで・・・というアイデアはクラークの中では自然なことだったが、相手の人物はそこですべてを閃き、ホラー映画史上屈指のモンスターを創造することになる。それが誰なのかは分かりますよね?
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