狼ティーン !
ニール・ジョーダン監督二作目。
グリム童話『赤ずきん』をモチーフとしたファンタジーホラー。
ロザリーンはベッドでスヤスヤ。
夢の中の彼女は中世の村娘。
お姉さんが森で狼に襲われ、変わり果てた姿に…。
村の外れに住むおばあさんが、ロザリーンに語る昔話。
「つながり眉毛の男には気を付けなきゃダメなんよ…狼に…狼に変身すっかんね!」
「…ふーん」
少女から大人へと変わりゆくロザリーン。
目覚め始める"性"への好奇心と不安。
彼女が微睡みの中、出会うもの。
狼たちは敵なのか?味方なのか?
それとも…?
実は本作、まだ小学校に上がる前に父親にムリヤリ観させられた結果、とあるシーンがトラウマになっておりました。
心に抱えたシコリを解消するべく、当時の父親の年齢に近づいた今、改めて鑑賞した次第です。
記憶の糸を辿りながら、行き着いた問題のシーン。
つながり眉毛の男が自らの手で皮膚を裂き、赤黒い肉を露わにしながら、おぞましい獣の貌が画面いっぱいに!
蘇る幼き日の恐怖、無意識に口をついて出た言葉。
「ス、ステキ…‼︎」
人狼映画は数あれど、ムクムクと毛が生えて変身するパターンがほとんど。
本作の場合、人の中からオオカミが出てきちゃうんですよ、ズッルズルのヤツが!
作品自体の完成度は微妙です。
入れ子構造もあまり効果的とは思えないし、イメージだけが先走ってストーリーもゴチャゴチャしてます。
結果として、その強烈なビジュアルのインパクトばかりが記憶に残るワケです。
ズッルズルのヤツが…!
形の整った作品とは言えませんが、どこかに歪な美しさや、退廃的なエロスを備えているのも確か。
思春期の少女特有の危うさを、そのまま密封したかのような妖しいムードに満ちていて、まさしく "異形のメルヘン" !
そりゃあ子供心にはコワかったでしょう。
"面白い映画=好きな映画"
当たり前の等式が成り立たない、そんな因果な大人になってしまった原因のひとつには違いない!
…とはいえ、自分が子供の頃、ホラー映画ってもっと身近なものだった気がします。
ゴールデンタイムに『13日の金曜日』シリーズとか普通に放送してたし、結構グロい予告編とか地上波CMでバンバン流れてたなぁ…(遠い目)