りょうすけ

シン・ゴジラ:オルソのりょうすけのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ:オルソ(2023年製作の映画)
3.8
「シン・ゴジラ:オルソ」

「ゴジラ-1.0(以下「マイゴジ」)」の公開を記念して一部劇場で限定公開された「シン・ゴジラ」のモノクロバージョン、近くの劇場での上映はなかったが、アマプラで見放題配信されていたので鑑賞してみた。オリジナルは公開当時に劇場で3回鑑賞している。

「マイゴジ」も同様にモノクロバージョンが制作されているので、そちらとの比較になってしまうが、「マイゴジ」ほどはモノクロの意味を感じる作品ではなかった。

というのも、「マイゴジ」は時代設定が、モノクロの映画が主流だった時代だったということに加えて、カラー版で欠点だと思っていた臭いセリフがモノクロになることにより昭和の映画感が増すという特徴があった。

しかし、本作の舞台はおそらく公開当時の日本であったことや作品の魅力である会話劇をカラーで十分に活かせていたので、モノクロにしたからといって特に良くなったというシーンがあったわけでもなかった。

あとはゴジラの登場シーンだが、「マイゴジ」の場合はゴジラが主人公に絶望を与えるシーン(銀座のシーンのこと)が夕方でまだ日が出ている時間帯であったのに対し、「シン・ゴジラ」は夜間だったので、そもそも映像が暗く、カラー版の魅力であった「暗闇に輝く紫の光の恐ろしさ」をかき消してしまっているような気もした。

「シン・ゴジラ」単体の作品の評価が変わるわけではないが、モノクロ版にしたからといって魅力が上がるわけではなかったというのが正直な感想だろう。それでも8年ぶりに「シン・ゴジラ」を観る機会を与えてくれた本バージョンには感謝したい。
りょうすけ

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