浅野公喜

双頭の殺人鬼の浅野公喜のレビュー・感想・評価

双頭の殺人鬼(1959年製作の映画)
3.5
パブリックドメイン作品を扱っているYoutubeチャンネル、Cult Cinema Classicsで鑑賞可能な作品(一応日本語字幕も設定可)で、日本に来たアメリカ人記者がマッドサイエンティストによって双頭のモンスターに変えられてしまう50年代恐怖映画。外国人監督ですが新東宝も携わったので和製洋画的作品と言えるかも。

舞台が日本である必然性はそこまで感じませんでしたが、特殊メイクは檻の中に居る博士の妻含めこの時代にしてはあまり安っぽさが無く、記者の肩に目が出来たり少しずつモンスターに変化していく過程を丁寧に描いており終盤には分離します。日本の描写もヘンテコかと思いきやゲイシャや切腹を除けば割とちゃんとしており好印象(ヘンテコでもそれはそれで面白いですが)。突出した何かが有るわけではないのですがこの時代の恐怖映画が好きな人なら観ても良いかもしれません。

博士役のオペラ歌手でもあったテツ・ナカムラやジェリー・イトウの流暢な英語が聴けるのも特徴で、後者に関しては幼少期観ていたNHKの「英語であそぼ」に出ていた方でした。博士の助手役だったテリー・ジマーンは亡くなる1年前の2019年にインタビューを受けており、テツ・ナカムラは撮影中とても紳士だったと懐古しています。
https://vantagepointinterviews.com/2019/01/22/memories-of-the-manster-actress-terri-zimmern-shares-her-recollections-of-the-enduring-made-in-japan-cult-classic/
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