矢野竜子

放蕩娘の矢野竜子のレビュー・感想・評価

放蕩娘(1981年製作の映画)
4.0
感情移入を一切拒絶する映画でありながら
最後は妙なカタルシスドラマがある変な映画。
突然終盤でメタ発言したり
ソーサーで思いっきり父親の頭をいきなり殴ったり
車庫ごっこという名の「あーん」をしたり
本気なのか遊びなのか見てるこっちもよくわからんけど
そのノリで父親もいつのまにか娘に食われていて怖い。
振り回されまくる父親のミシェル・ピコリが不憫可愛いし
ぴったりした白いハットが絶妙にぴったりしていて可愛い。
ずーっと庭か家が舞台で繰り広げられるが
画が美麗過ぎて飽きない。
海が目の前にあってものすごい開放的なはずなんだけど、
全くそんな風に見えないのが不思議。
狭く閉ざされた世界に感じてしまう。
いきなり生きたいとか言い出すシーンで
華倫変の「酒とばらの日々」を思い出したり。