まぐろさばお

殺人者のまぐろさばおのレビュー・感想・評価

殺人者(1946年製作の映画)
3.4
まさにフィルムノワールっぽい作り。冒頭の二人の暗殺者が田舎町にやってきて、ごく普通の人間だと思われていた人間が闇の組織の一員であった、という件はまんまクローネンバーグの「ヒストリー・オブ・バイオレンス」にて再現されている。
カサブランカのように回想シーンでのエヴァ・ガードナーの甘い歌が漂い、ブリンスキーがうわごとでつぶやく謎の言葉など、隠された真実や闇から浮かび上がっていく若干奇怪で回想の中にこそ失われた真実がある点は市民ケーンから始まりサンセット大通りまでを貫く40'Sの特色の一つかな。ただ本作に関しては若干娯楽性に欠けるのと、結局テーマがなんだったのかがいまいち掴みづらく感じたかなーと思う。そのうちまた見返したい。